祭りをわっしょいという掛け声とともに盛り上げる神輿(みこし)。
神輿は神社を模したもので、良く見ると鳥居(とりい)がついています。
その起源は、高貴な人が乗った「輿(こし)」という乗り物にさかのぼり、奈良時代に神社から神様を分霊する際に、輿を用いたことから、神の輿、「神輿(みこし)」と呼ぶようになったのだそうです。
ちなみに、鳥居の一番上のところを「笠木(かさぎ)」、次のところを「島木(しまぎ)」というそうです。
記録では、天平勝宝四年(752年)聖武天皇が奈良東大寺の建立の際に、宇佐八幡宮の御神霊をお迎えした紫の輿が、初めてとされているそうです。
神輿は、木地師(きじし)や錺(かざり)職人、木彫師などの職人を神輿師(みこしし)が統括してつくりあげられ、木地師が担当する神輿の屋根と胴をつなぐ斗組み(ますぐみ)は、釘を一本も使わず、「だぼ」とよばれる細い木で、段と段をつなぐことで、段に微妙な隙間が生まれ、その隙間が、はげしい神輿の上下運動の際の屋根の重みを吸収する役目をもち、細い胴でも大きな屋根を支えられる秘密がここにあるのだそうです。
神輿の屋根に乗る鳳凰は、「鳳凰が飛ぶと、乱れた世を救う聖人が現れる」という言い伝えから、いつしか神輿につけられるようになったのだそうです。