寛弘二年(1005年)に建立され、千年の歴史を持つ、芝神明宮(芝大神宮:東京都港区)は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)・豊受大神(とようけだいじん)の二神を祭り、江戸時代には幕府の厚い保護を受け、「関東のお伊勢様」としてたいへん賑わったのだそうです。
その例祭は、9月11日〜9月21日まで無休で続く、日本一長い例祭「芝神明のだらだら祭り」と呼ばれ、国立国会図書館に所蔵されている「東都名所一覧」に描かれているのは、びっしり描き込まれた人々と芝神明宮の生姜を食べると風邪を引かないと有名で、現在でも販売されている「生姜」の文字が、三回も書き込まれています。
見世物小屋などもあり、たくさんの人が集まったため喧嘩も多く、有名なのが「め組の喧嘩」。町火消しの辰五郎達が木戸銭を払わず、相撲を見ようとして木戸番にとがめられ、通りかかった力士の九竜山が木戸番に味方しておきた騒動なのですが、戦いが力士側に有利になると、火消し達は身軽さを利用して屋根に逃れ、瓦を投げつけ、火の見櫓に昇り半鐘を鳴らしたため大勢の火消しが現場に駆けつけ、大乱闘になったのだそうです。
その後、町奉行に捕えられ、辰五郎や九竜山などは江戸からの追放刑、火消し側には罰金が課せられたそうです。
この「め組の喧嘩」は、現在も上演されている歌舞伎の演目「神明恵和合取組(かみのめぐみわごうのとりくみ)」となり、主演俳優は、現在も芝大神宮に参拝するのが習わしとなっているのだそうです。
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