江戸の夏バテ防止食のひとつである「ところてん」は、酢醤油で一本箸で食べていたそうで、安土・桃山時代に日本に入ってきた「スイカ」は、当初、庶民が食べるものとされ、武士が食べたのは寛文年間(1661〜73年)以降なのだそうです。
また、現在は、冬のイメージがある「甘酒」ですが、栄養価が高いため、夏バテ予防食として人気が高かったのだそうです。
旧暦の六月一日(現在の七月一日)は、冬に降った雪を蓄えた氷室を開く「氷室開き」の日で、その風習は、古くからの朝廷の行事でもあったそうです。
この日、江戸では、加賀藩主前田家の本郷(現在の東京都文京区本郷)の上屋敷の氷室が開かれ、将軍家へ氷を献上したそうです。
その後、江戸市中にも土蔵造りの氷室がつくられるようになり、一般庶民にも氷が供給されるようになったそうで、当時、氷で冷やした水を売る水屋という商売が誕生しましたが、川で汲んだ水に氷を入れたものであったため、衛生面の問題により、高齢者の場合は腹をこわすことがあり、「年寄りの冷や水」という言葉が生まれたのだそうです。
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