江戸幕府の公式行事であった「五節句」の中で、一年最初の節句が「人日(じんじつ)」の節句です。
これは、一月七日「春の七草」「七草粥」として現代に残っていますが、この七草は若菜とも呼び、平安時代 光孝天皇の
君がため春の野に出でて若菜摘むわが衣手に雪は降りつつ
と詠んだ若菜摘みの風習が春の七草となり、若菜のもつ溢れるエネルギーの七草を粥として食すことで、邪気を払い無病息災を願う「人日の節句」となったようです。
江戸時代の七草粥の作り方は、将軍以下武家全員が神妙な顔つきで正式な長裃(ながかみしも)を身につけ、前夜からお囃子付きで恵方に向かってついておいた七草を入れた粥を食べて、無病息災を願ったそうです。
武家と同じように庶民も囃子歌を唄いながら七草をつく記述が、南総里見八犬伝で有名な曲亭馬琴の日記に記載されているそうです。
また、江戸時代の七草粥では、七草すべてそろっていなくても良かったようです。
今年は、「人日の節句」として、七草粥を食し、無病息災を願ってみませんか。
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